第10回 日本知的障がい児・者サッカー競技会 にっこにこフェスタ
知的障がい児・者が、日常的にスポーツに携わる機会は少なく、また、その中でも未経験者から競技者までとニーズの幅も広いのが現状です。このような環境で普及の種を蒔き、環境改善及び意識の高揚、地域社会への理解を図ることを目的として、日本知的障がい児・者サッカー競技会 - にっこにこフェスタでは「誰でも、一人でも、仲間とも、家族とも」楽しめるサッカーを提案しています。
記念すべき第10回大会は2日に渡り行われました。残念ながら曇り空と小雨が降る中での開催となりましたが、多くの方にご参加頂きました。
開催日時:2017年10月14日(土)・15日(日)
開催会場:江戸川区陸上競技場
参加地域:1 都9 県( 青森県・山形県・宮城県・茨城県・埼玉県・東京都・千葉県・神奈川県・山梨県・徳島県)
参加選手:団体数 40 団体(選手数 608 名) | 個人参加者数 18 組 | 監督・コーチ・引率者 246
参加ボランティア数:511 名
観戦者数:560 名
第10 回記念競技会を終えて
皆さんに支えていただいて10 年が経ちました。お陰様で第10 回記念競技会を二日間に渡り行い、1,900 名以上の来場者をお迎えすることができました。残念ながら曇り空と小雨が降る中での開催となりましたが、多くの方に足を運んでいただくことができました。
悪天候にも負けず、今年も北は青森県から南は徳島県からのご参加があり、また初参加の方々もいらっしゃいました。皆さんのハツラツとしたプレー、指導者の方々の選手を見守る温かな表情、選手のプレーに笑顔で一喜一憂するサポーターの皆さんの姿…どれをとっても主催者として、心から感動を覚えました。
選手の想い、監督・コーチの想い、サポーターの想い来年へしっかりと繋げられるよう新たに準備をして参ります。そして、記念競技会を成功に導いてくださったのはご協力をいただきました500 名を超えるボランティアスタッフの皆さん、ご参加いただいた企業、団体、学生、個人の方々のお陰です。皆さんの温かいご理解とご支援、ご協力があってのことです。心より御礼申し上げます。
参加された方々から「この大会を目標にしている!」「フェスタを楽しみにしている!」とお声をいただきましたこと、大変嬉しく思っております。各地に戻られた後に、様々なお話をしていただいているようです。これを受け、今後も知的障がい・発達障がいのある方々、保護者の方々、施設関係者の方々などに向けての情報発信源の一端を更に担っていきたいと思います。心から楽しみ、感動し合えるサッカーを伝達していくと共に、多くの皆様の笑顔に会えるよう努力を続けてまいります。
特定非営利活動法人トラッソス 理事長 江木ひかり
全日本知的障害児・者サッカー競技会 実行委員会会長 吉田力男
事業成果
- 江戸川区のご理解のもと、本年も開催することが出来ました。
- スポーツ振興くじ助成並びに多くの企業や個人の皆様からのご協賛により、開催することができました。
- 本年も新規団体の参加が増加し、「楽しむサッカー」の広がりを感じることができました。
- 開会式では、STREET JAM 様のダンスや区立二之江中学校民舞和太鼓部様にお盛り上げていただきました。
- チャレンジフィールドでは、株式会社アセットニーズ様、株式会社エスエスケイ様をはじめとする企業の皆さん、帝京平成大学、東洋女子高等学校、荒川工業高等学校、竹台高等学校、区内公立中学校の皆さんが、参加者を盛り上げてくれたお陰で大変好評でした。
- 江戸川区サッカー連盟より多くの審判員が参加してくださり、ジャッジだけではなく、ゲームディレクターとしてご活躍いただきました。また、選手に優しくルールを教える場面も増加し、微笑ましいゲーム進行となりました。
- フィールドスターリーグ専門の審判員が、選手に寄り添い、試合進行をしました。
参加者の声
- 雨が降る中でしたが、1 日楽しくすごせました。
- コーチが一番感動し、子どもと楽しむ事が出来ました。今年が3 回目ですが、毎年参加できるように毎週のスクールを頑張りたいと思います。「泣けますよね」とコーチが言っていました。
- 負けた悔しさも自分で受け止め「次の試合で頑張ろう」と切り替えられていましたので良かったです。上級生が下級生にアドバイスをする場面もみられました。「来年も来たいから、もらったサッカーボールで1 年間修行する!」と生徒が言っていました。
- 楽しく参加する事ができました。用具をお貸し頂き、ありがとうございました。
- 普段、練習をしていない割に、皆よく動いていました。
- チーム一同、毎年楽しみに参加させていただいています。選手達で励ましあったり、喜びあったりと、サッカーを通して成長を感じる事ができました。雨の中開催していただき、ありがとうございました。
- サッカーの楽しさだけでなく、温かさや繋がりを提供できるような大会にさらに成長していきたいと思います。10年経った、10回も経験しているのにも関わらず、至らないことが多い部分もありますが、一つずつ考え、直して、しっかりと積み重ねていきます。
- 来年に向け、準備を進めていきます。ご参加いただきました全ての皆さんに感謝致します。ありがとうございました。
にっこにこフェスタ専門審判員のエピソード
子どもの頑張る姿
ボールが顔面に当たってしまったキーパーの男の子が、泣きながらも最後までゴールを守っていました。また、試合後にゴールの前で泣き始めてしまったので、挨拶の列に誘導しながら「痛かったけど、がんばったね!」と声をかけると、涙を拭いながら何度も頷いてくれました。審判という立場は、子どもの頑張る姿を間近で見れるということを実感しました。
声がけの大切さ
相手に点数を取られてふてくされ気味の子に、一緒に担当をしていた審判員が「あと2分あるよ!次頑張ろう!」といった声掛けをした後、その子が点数を連続で決めました。ちょっとした声掛け一つで、選手が気持ちを切り替えるきっかけになるということを実感しました。声掛けで試合を盛り上げるということの大事さが分かりました。
カッコつける理由
次のチームの選手の試合前チェックをおこなっている時、そこのチームの選手がニコニコと「僕ね、あの先生のこと好きなの」、照れながらチームのコーチを指さし教えてくれました。「好きな人がいるのは素晴らしいことですね」と伝えると、「うん、だからね、カッコつけてるの!」とガッツポーズを見せてくれました。「活躍できるように頑張りましょう!!」とエールを送ると、「点を決めたい」と張り切っていました。
試合結果は残念ながらチームは勝てず、その選手も点数を取れませんでした。なんて声をかけようかなと思っていると向こうからやってきて、「頑張ったって褒めてもらえた」と、試合直後にコーチから褒められたようでとても嬉しそうでした。ごくごく普通の青春がそこにはありました。その選手がとても初々しくて、なんか懐かしい感じがしました。スポーツを通して好きな人の為にカッコつける!! そんな普通のことが見られたのが、とても印象に残っています。
スポーツマンシップ
試合中に、選手同士がぶつかってしまう場面がありました。その瞬間は、どちらも試合に集中をしていて、相手の事はお構い無しでプレーを続けていました。お互いに気にも止めていないと思っていましたが、試合後の整列時に、どちらからとなく歩み寄り握手をしながら、先ほどのプレーについてお互いに謝り、怪我は無かったかを確認しあっていました。スポーツマンらしい一場面を間近で見ることができました。
後援 (順不同・敬称略)
- スポーツ庁
- 東京都
- 江戸川区
- 江戸川区教育委員会
- 公益社団法人 東京都障害者スポーツ協会
- 社会福祉法人 東京都社会福祉協議会
- 社会福祉法人 東京都知的障害者育成会
協賛・寄付 ・協力(順不同・敬称略)
- 株式会社オーエンス
- hummel
- リベラル株式会社
- 株式会社アセットニーズ
- 株式会社D&I
- 株式会社モルテン
- 東洋海運通商株式会社
- 株式会社アクト・テクニカルサポート
- 株式会社新建設
- レストラン三橋
- 勝木食品工業株式会社
- 東洋圧送株式会社
- 株式会社江機製作所
- 内海建設株式会社
- 株式会社鈴木スポーツ
- 桐井電設工業株式会社
- 株式会社ササキスポーツ
- 株式会社T.M GP
- 有限会社葛和
- 有限会社明和ビルサービス
- ジブラルタ生命保険株式会社
- 社会福祉法人江戸川区菜の花の会
- 江戸川区手をつなぐ育成会( 親の会)
- なぎさの会
- 江戸川区特別支援学級設置校長会
- 江木常夫
- 山本陽一
- 株式会社 モルテン
- リベラル株式会社
協力 (順不同・敬称略)
- 江戸川区サッカー連盟
- 千葉県知的障害者サッカー連盟
- タカヤスポーツ株式会社
- 株式会社LIFE.14
- STREET JAM
- 江戸川区立二之江中学校民舞和太鼓部