社会にある"障害"をなくすために
指導者派遣・指導者育成
NPOトラッソスでは、様々な地域・団体に指導者(コーチ)が出向き、知的障がい児/発達障がい児にサッカー教室を提供するコーチ派遣を行っています。また指導者の育成を通して、障害のせいでスポーツ活動を諦める児童が1人でも減るよう努めています。
交流を通した相互理解
知的・発達障がい児/者と健常児/者が、お互いを知り、尊重し合える機会の場として、「にっこにこフェスタ」「ゴチャタノ!」「COPA-TRA & copa-tra(コパトラ)」などの交流大会を開催しています。
ゴチャタノ! | にっこにこフェスタ | コパトラ | 高齢者・障がい者レクリエーション
企業とのコラボレーション
指導者(コーチ)やトラッソスのメンバーが、知的・発達障がい児/者にとって使いやすいサービスや製品の開発に参加しています。
指導者(コーチ)派遣
実施目的
サッカーの指導者はたくさん存在しますが、知的障害・発達障害のある方々を対象とする指導者は極めて少ないのが現状です。また、トラッソスの活動する会場に来ることが困難な方も多くいます。NPO法人トラッソスでは様々な地域・団体に指導者(コーチ)を派遣し、笑顔で楽しむサッカーの提供を行っています。
コーチの派遣の詳細および料金については、お気軽にお問い合わせ下さい。
指導者派遣例:狛江市運動療育(2017.4実施)
未就学児の運動教室を狛江市で月に1度開催しています。(狛江市が実施する運動療育です)
当日の流れ
トラッソスのバンに運動療育で使用する道具を積み、目的地である狛江市民総合体育館へ。体育館で3名のコーチが運動療育の準備を行います。エアポンプを使いエアスタジアムを組み立て、ボールなどの備品を準備し参加者(10組の親子)を待ちます。
1時間の運動教室の後、後片付けの作業に入ります。後片付けの時間を、親御さん同士の情報交換の場と利用されても構いません。その間も子ども達は楽しそうに体を動かしています。使っていたエアスタジアムのパーツを船に見立て、床を指差し「ここは海なの!」と想像力溢れるお話が始まったり、 もしかしたら、後片付けの時間の方が元気かもしれません。
体育館の後片付けが終わったら、道具を再びバンにのせトラッソスのある江戸川区へ。新しく参加してくれた親子のみなさん、いつも参加してくれる子どもの成長など情報交換をしながら帰途に着きます。
運動療育教室の開催があまりないこと、開催されている場所が遠いことなどで、参加したくても/参加させたくても、参加できない親御さんが多くいます。トラッソスが指導者を派遣することで、このような悩みを解決し笑顔が増えることを願っています。
療育とは:発達障害や学習障害などで支援を必要とする子ども達に、社会的に自立のために医療と教育の両面からトレーニングを行うことをいいます。
みんなで地球をけっとばせ! in 狛江市
狛江市内の体育館で毎月1回行われている「みんなで地球をけっとばせ!」 の様子を こまえスマイルぴーれ で紹介いただきました! 参加者の視点で、親子運動教室の様子がたくさんの写真と一緒に紹介されています。[2018年4月8日]
ワークショップ / 勉強会
NPOトラッソスでは、知的障害・発達障害のあるお子さんへのスポーツ指導などに携わっている方々を中心に、指導者の勉強会を開催してます。
2019年9月〜2022年3月筑波大学・澤江幸則氏をメイン講師として迎えた「指導者塾」では、DCD(発達性協調運動障害)のケーススタディを出発点とし、身体の動きや心の変化、環境の変化などについてオンサイト及びオンラインで開催しました。「指導者塾」では、知的障害・発達障害のある子ども達の指導者として何が必要か考察し、様々な事例を考察しながら障害のある子どもの指導について学ぶだけではなく、地域スポーツのあり方と可能性、教育機関との共有及び連携について、そしてこれからの発展についての意見交換も行われました。
ゴチャタノ!
開催目的
ゴチャタノ!はhummel PRAY企画(株式会社エスエスケイ/hummel )から始まった「多様性を認める」という趣旨のサッカー大会です。トラッソスの生徒や選手やコーチ派遣先のサッカー教室の生徒、一般参加、大人から子どもから構成されるごちゃまぜチームを作り、障害の有無に関係なく、笑顔で一緒にサッカーを楽しむイベントです。
ゴチャタノ!2024年
これまで試合のいくつかで使用するボールをサイコロで決めていましたが、今年は全試合のボールがサイコロで決まりました。サイコロを振るのはチームパフォーマンスの審査委員の役目なのですが、途中から子どもたちがサイコロを振って試合球を決めて楽しんでいました。今年もどの試合も笑顔・拍手・声援が溢れるイベントとなりました。
- 開催日時:2024年3月2日(土) 11:00-14:00 (受付開始:10:30分)
- 開催場所:江戸川区スポーツセンター 3階 大体育室・小体育室
- アクセス:東京メトロ東西線 西葛西駅下車 北口から徒歩7分 [ 地図 ]
- 参加人数:170名
- 協賛:株式会社浅田飴・有限会社エムデーエフ・牛乳石鹸共進社株式会社・Sgrum・株式会社ダイオー/いもくり佐太郎・DOORプロジェクトトラッソスチーム・株式会社ナカノ商会・1.FCケルン
株式会社エスエスケイ様のウェブサイトにて、2024年3月2日開催の「ゴチャタノ」について紹介頂いております。株式会社エスエスケイ様によるレポートは下記(外部リンク)よりご覧いただけます。
楽しいを大事にしたインクルーシブサッカー大会「ゴチャタノ」開催!
ユニファイドサッカーから「ゴチャタノ!」へ
2020年4月より、名称をユニファイドサッカーから「ゴチャタノ!」(ごちゃまぜをたのしもう!)に変更しました。
にっこにこフェスタ
開催目的
知的障がい児・者が、日常的にスポーツに携わる機会は少なく、また、その中でも未経験者から競技者までとニーズの幅も広いのが現状です。このような環境で普及の種を蒔き、環境改善及び意識の高揚、地域社会への理解を図ることを目的として、にっこにこフェスタでは「誰でも、一人でも、仲間とも、家族とも」楽しめるサッカーを提案しています。
にっこにこフェスタの詳細については下記ページをご参照ださい。
日本知的障がい児・者サッカー競技会 にっこにこフェスタ
スポーツ振興くじ助成事業
にっこにこフェスタは、toto のスポーツ振興助成を賜り知的障害児・者の方々が楽しみながら、身体を動かして、健全な肉体と精神を保って頂きたく、毎年開催させて頂いております。今後とも皆様のご支援よろしくお願いいたします。
COPA-TRA & copa-tra(コパトラ)
開催目的
COPA-TRA & copa-tra(コパトラ)は、知的障がい児・者/発達障がい児・者と健常児・者がサッカーを通して相互理解を深めることを目的としています。
2004年にスタートした当時、知的障がい児について事前に学習をしてきてくれる健常児の団体さんがありました。知的障害に関心を持ち調べてくれ、とても嬉しかったのですが、その子ども達は、どこかぎこちなく過剰に優しくしてくれました。その不自然さを彼らの監督さんにお話ししたところ、「サッカーを通して、お互いに出来る事も出来ない事も一緒に見守っていこう」となりました。インターネットや書籍、テレビなどを通して一方的に理解するのではなく、サッカーを通してお互いに理解する ー「観て感じて行動する」ことから生まれるものを大切にしていきたいイベントです。
COPA-TRA & copa-tra(コパトラ)2023年
- 開催日時:2023年9月17日(日) 8:30-16:30
- 開催場所:江戸川区立小松川中学校校庭
- 参加チーム:南綾瀬FC(小学生)、小松川中学校サッカー部(中学生)、 B.bird FC、トラッソス
- 参加人数:75名
4年ぶりの開催となるコパトラには、小学生のクラブチーム、中学校サッカー部、障がい者チームが参加しました。 今大会では、「にっこにこフェスタ」の審判講習も同時に行われ、FCトラッソスからの審判員としても活躍した選手もいます。準備や会場周りのゴミ拾いまで、参加者の運営協力が光る大会となりました。
高齢者・障がい者レクリエーション講座
開催目的
駒沢オリンピック公園陸上競技場で開催されるレクリエーション講座では、NPO法人日本サッカーOB会と一緒にサッカーを通し交流を深めます。
世代を超えて笑顔でボールを追いかけるのは本当に楽しい時間です。同年代だけではなく、様々な年齢の人たちとのコミュニケーションも成長する上では欠かせません。年齢や障害の有無に関わらずに楽しめる交流会です。2017年3月19日のレクリエーション講座の様子を Facobook でご覧いただけます。(Facebookアカウントがなくても、こちらのリンクからご覧いただけます)。
センサリールーム運営への参加
NPOトラッソスは、JリーグクラブであるFC東京のホームゲームで設置される「センサリールーム」の運営を様々な専門家も含めた共同運営に参加しています。
センサリールームとは:視覚や聴覚になどに感覚過敏の症状がある方やそのご家族が安心して過ごすことができる部屋です。大きな音や眩しい光や人混みや他者からの視線などが苦手な人が、落ち着いた環境でスポーツを楽しみながら応援できる空間です。またご家族にとっても安心してスポーツ観戦ができ、スポーツの良さを感じていただける空間にもなっています。
センサリールーム実施例(2023.11.25 実施)
前日までの流れ
センサリールームを利用する子どもと家族の方に「しおり」を送付します。「しおり」には、当日のスケジュールや担当するスタッフやボランティアの情報が記載されています。
当日の流れ
センサリールームの実施日は、トラッソスのコーチ2名がスタッフとして参加します。味の素スタジアムで FC東京スタッフ、スポーツボランティアスタッフと合流し、センサリールームで使用される道具を搬入します。
用意されている部屋にクッションやマットなどの備品を運び入れ、センサリールームを作って行きます。壁や窓際のカウンターテーブルにフラッグやタオルなどが飾られ、いつもは無機質な部屋が「リラックスして試合観戦を楽しめるセンサリールーム」に変わります。
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センサリールームについて興味を持ってもらえるように「センサリールームの備品運搬中」のカードを掲げながら備品を運びます。 -
センサリールーム用の部屋に、クッションやマットを設置して行きます。FC東京のチームカラーの赤と青で溢れています。 -
センサリールームには、光や色、音などの刺激を過剰に感じてしまう方用に、イヤーマフとサングラスが用意されています。
試合開始1時間前には利用者となる家族をセンサリールームに案内し、子どもがセンサリールームの環境に慣れるのを見守ります。「家族の時間を大切にして欲しい」という思いから、トラッソススタッフは基本的に距離を保ち積極的に干渉しないようにしています*。今回は子ども(Rちゃん)と家族の方との心理的なスペースが近かったこともあり、スタッフも一緒に試合を応援するスタイルになりました。
*子どもの様子や状況、雰囲気から距離の取り方を柔軟に変えています。例えば、子どもから遊びに誘ってきた場合、子どもが飽きてしまった場合は一緒に遊ぶなど臨機応変に対応しています。
「こんなに喜んでくれるとは」 という親御さんの言葉通り、 Rちゃんは嬉しそうに旗を振りながら、時に歌って踊りながら一生懸命応援してくれました。試合終了から帰るまでの間に少し機嫌が悪くなってしまった Rちゃんでしたが、帰りにピッチで記念撮影をすると機嫌も良くなり笑顔で味の素スタジアムを後にしました。
子どもに障害があるため、スタジアムでの観戦は考えたこともなかった親御さんが多いのではないでしょうか。センサリールームを利用することで、家族でリラックスしながら、臨場感溢れるサッカー観戦を楽しめます。障害のある当事者だけでなく、家族にとっても楽しく試合観戦を楽しめる場所がセンサリールームです。
FC 東京 センサリールームについて
FC 東京では発達障がいなどの診断を受けている、感覚過敏等の症状のあるお子さまとご家族が安心して観戦できるセンサリールームを設置しています。
センサリールーム内では、その子にあった安心・安全な観戦をサポートしています。これからも、誰もが笑顔で楽しめるインクルーシブな場づくりとしてセンサリールームを運営していきます。
※ 2021シーズンにはトライアルとして4試合、2022シーズンは6試合で実施しました。2023シーズンは6試合を予定しています。
「やさしいランドセル」開発への参加
hummel (ヒュンメル)の「やさしいランドセル」また付属品のバッグインバッグの開発に、トラッソスのスクール生と保護者の方が協力・参加しました。
やさしいランドセルとは
デンマークのスポーツブランドhummelによる、ブランドとして初めてとなるランドセル。「ふわりぃランドセル」とのコラボアイテムで、発達障害の当事者および保護者の協力のもと開発されました。発達障がい児にとって使いやすい特別な機能や付属品、軽さと丈夫さを備えた『誰にとっても使いやすいランドセル』です。